イケメン御曹司の甘い魔法
ご近所のみなさま


早いもので、優斗さんの家に引っ越しをしてから、もう三か月が経っている。
やっと少し優斗さんとの生活に慣れてきたところだ。

優斗さんのマンションには、住人専用のスポーツジムと温泉がついている。
もちろんプールもある。
また、テニスやゴルフのスクールや料理教室なども用意されている。
私は、休みの日にプールやスポーツジムを利用させてもらっている。
セキュリティーもしっかりしているし、専属のスタッフも常駐していてとても快適だ。

以前に私が使用していたスポーツクラブとは大違いだ。

最近では、スポーツジムやプールでよく合う女性と顔見知りになり、話をする機会が増えて来た。

「こんにちは、私は本田真理と言います。よくジムやプールでお会いしますよね?」
「はい、私は木下芽衣です。よろしくお願いします。」

話し掛けてくれたこの女性は、本田真理さんと言って偶然同じ年の女性だった。
この女性は、結婚されて1年ほど経っていて、結婚を機に引っ越しされてきたとのこと。
今は専業主婦のようだ。

「木下さんは、何階に住んでいるの?」
「私は33階なんです。」
「もしかして、最上階ですよね?藤堂さんとご一緒なの?」

本田さんは30階に住んでいて、ご主人は偶然にも優斗さんの知り合いだったようだ。
優斗さんはこのマンションでも、あのルックスから目立っているらしい。
奥様方にも人気があるようだ。
優斗さんは何処に居ても目立つらしい。

そして、本田さんは、驚いた様に私を見た。

「木下さんは、藤堂さんとご結婚されていないの?」

確かに、今の時代は結婚していなくても一緒に住んでいる同棲はそんなに不思議ではない。
でも、このマンションは奥様同士のグループがいくつかあるらしく、いろいろ煩く言う人が多いらしい。

マンション内にも派閥があるそうだ。
住んでいる階数でもグループが違うらしい。
高層階は家賃も高く、中には差別意識を持つ人もいるようだ。
一般庶民の私には理解できない。

「木下さん、私はそういうこと全然気にならないけど、このマンションはいろいろ言う人がいるからさぁ、これから何か聞かれたら、藤堂ですって言った方が良いかもよ…」

「------そういう事もあるのですね-----」


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