イケメン御曹司の甘い魔法
パーティーもお開きになり、私達は少し疲れて部屋に戻った。
いや、少しではなくだいぶ疲れた。
「芽衣、思っていた以上に大変だったな。ご近所付き合いも疲れるな-----」
優斗さんはソファーにドカッと腰を下ろすと目頭を押さえている。
「優斗さん、お疲れのところ申し訳ないのですが、ご相談があります。」
優斗さんは私が突然あらたまった表情をしたことに驚いたようだ。
「芽衣、どうかしたの?」
「優斗さん、実は先程のパーティーで------------」
優斗さんに真理さんの妹である萌絵さんの話をした。
今は学生だが、大学卒業すると親の決めた婚約者と結婚が決まっているという事。
そして、ずっと憧れていた男性が居て、その男性と一日だけでもデートをして思い出を作りたいという事。
その思い出を胸にこれから生きていきたいと、とても深刻な思いだと言う事だ。
「芽衣、萌絵ちゃんはその男性にその思いを伝えることが出来るのか?」
「私はそのお手伝いをしたいのです。優斗さんも協力してくださいますか?」
「--------う-----うん。俺に出来る事があればだがな------」
私は優斗さんにニコッと微笑んだ。
優斗さんは不審な顔をしている。
「優斗さん、萌絵さんと一日デートしてあげてください。」
「-----はっ?」
優斗さんは、驚いて目を大きくして私を見た。
「萌絵さんの憧れの男性は、優斗さんなんです。」
「芽衣、俺が萌絵さんとデートしても良いと思っているのか?」
私は大きく首を振り、優斗さんの瞳を覗き込んだ。
「私は、もちろん優斗さんが他の女性とデートしたら嫌です。でも萌絵さんはこれから先、好きな男性とデートなんて出来ないかも知れないのです。だから一日だけ我慢します。優斗さんも協力してもらえませんか?」
優斗さんはしばらく何も話さなかった。
そしてゆっくり目を閉じて、深呼吸して話し始めた。
「芽衣の気持ちは分かった。俺は気が進まないが、芽衣のお願いなら萌絵ちゃんとデートするよ。」
「優斗さん、有難うございます。」
優斗さんにお礼を伝えると、私は思わず優斗さんに抱き着いていた。
「芽衣、その代わりに今日は芽衣を、俺のデートを引き受けるご褒美としてたっぷり頂くからな…」
「-------------------------」
優斗さんの激しいキス攻撃だ。