イケメン御曹司の甘い魔法
夢のようなプロポーズから、あっという間に半年が過ぎていた。
仕事と結婚式の準備で、嵐のように忙しい半年だった。
私達は午前中に教会で結婚式を終えたところだ。
もちろん優斗さんのご両親と合同の結婚式だった。
教会の式は少人数でアットホームな素敵な式だった。
そしてこれから、盛大な結婚披露パーティーだ。
仕事関係や、政財界からも出席をいただき、人数は軽く2,000名は超えているだろう。
そして、このパーティーで優斗さんは正式に社長になることを発表する。
午前中の式では純白のウェディングドレスだったが、披露宴は鮮やかなカラードレスだ。
純白のウェディングドレスはお母様と同じレース生地が使われた。
お母様はシンプルなスレンダーラインのドレスで、私はプリンセスラインのドレスだ。
同じレース生地でもかなり雰囲気は違っていた。
これから行う披露宴は、花がモチーフのドレスだ。
お母様はバラがモチーフで、大人っぽいバラの刺繍がアクセントの赤いドレス。
私は桜の花がモチーフで、立体的な桜の花びらがドレスを覆っているような桜色のドレスだ。
お父様と優斗さんは色違いのタキシード。
お父様はグレー、優斗さんは黒。
驚くほど似合っていて素敵すぎる。
優斗さんが私の手をとり微笑んでくれる。
「芽衣、とても綺麗だ。皆に見せたくないが、我慢しよう。さぁ行こうか。」
披露宴会場のドアが開くと、沢山の人達が私達に拍手でお祝いを伝えてくれる。
会社の方々や、九条社長、圭太さん、お世話になっている方々の顔が見える。
真理子は、目を真っ赤にして私より泣いているようだ。
真理子に優斗さんの相談を初めてした日が、昨日の事のように思える。