粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<神社・境内・>

その後、
大森の耳に変換されたリシェルの
言葉が、聞こえた。

「大森様、
今日はご迷惑をおかけして
もうしわけありません」

そう言って、
リシェルはちょっと頭を下げた。

その表情は・・・
不安と心配な感じだった。

大森は・・ふと・・
この感じはどこかで・・・

ああ、
上条ミイヤと似ているんだ・・・
そう気が付いた。

「大森は怒っていないよ、
いつもこんな感じだから・・
大丈夫」

瞑王がすかさず、フォローを入れた。

大森は仕事モードで続けた。

「瞑王様、
保護バリアを少し歪ませるか、
フォーカス効果を入れるようにしてください。

今の状態だと、
あなた様とリシェルは現世では、
とても目立ってしまうので」

「ああ、わかった。」

大森は、瞑王の言葉を確認すると、すぐに先を歩き始めた。

その先の大通りに、ハイヤーを2台呼んである。

大森は車に手を振って、
合図をした。

振り返ると、手をつないで
歩いてくる二人が見える。

瞑王とリシェルは、
やはり、どことなく・・・
似ている。

いつもの瞑王とは違う・・
優しくて妹に甘い
お兄ちゃんのようだ。

リシェルは大森と視線が合うと、
少しほっとした感じで
笑顔を見せた。
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