粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<神社前・通り・>

大森は、
先導する車の後部座席に乗り込んだ。

「競馬場まで行ってくれ」
車の運転手に、大森は声をかけた。

後ろの車の発進を確認すると、
大森は前を向いて
腕組みをして考えていた。

天界の高級霊ほど、
その属性は純粋で無垢(むく)になる。

簡単に言えば、
こどもっぽくなるということだ。

瞑王もよく<ガキ>になるが、
冥界的には、
戦略を狡猾に実施する力がある。

リシェルはもっと幼くて、
童女のように思えた。

神殿から出ることは
ほとんどないからだろう。

あれで天界の教育係が
できるのだろうか・・・・

ミイヤはとにかく、
生まれてくる<エリカ>は、
あの悪たれの弟が、転生した<人>だ。
一筋縄ではいかない、

それに未来の瞑王として
ふさわしい存在かどうか、
どこかで判断をせまられるだろう。

リシェルに
瞑王を育成する力があるのだろうか。

俺のパートナーとして・・・
やれるのだろうか

大森はふと気が付いた。

俺はすでに断っているのだ。
この先二度と、
リシェルを見ることはないのだ。

気に病むことはないのだ。



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