粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<競馬場>

車は競馬場に着いた。

大森はすぐに特別貴賓室に
二人を案内するため、
エレベーター前で説明した。

「一般席は欲望の邪気がひどいので、貸し切りにしておきました」

大森はリシェルを見た。

リシェルはフニャと笑って、
小さく手を振った。

か・わ・い・い・・

大森は何となく、気まずくて
視線をそらした。
別に俺はロリ系ではないし・・・

それでも、
一瞬カラスの姿になって、
ギャーギャーわめきたい気分にかられた。

「ああ、
リシェルにはそのほうがいいだろう。
なにしろ、初めての現世だからな。配慮してくれて助かる」

瞑王が言い、
リシェルとエレベーターに乗った。

大森はエレベーターが閉まると、
すぐに直近のレース状況を確認するため
タブレットを、ビジネスバックから取り出した。

「どの馬が一番早いか、競争するんだ。
リシェルはどの馬が好きかな」

瞑王とリシェルが、
レース場の見える特別席に座り話をしている。

「あの馬がきれいですね。
天界のペガサスに、ちょっと似ていますもの」

リシェルが、一頭の馬を指さして答えた。

瞑王が軽く手を上げて
「大森、単勝で・・馬券を頼む」

「わかりました」

大森はさっそく、スマホで馬券購入の連絡をいれた。

<まぁ大勝(おおがち)するに
決まっているが・・・>

レースが始めると、
リシェルはキャーキャー騒いで応援していた。

結果は、
リシェルが選んだ馬が、一等だった。

「換金した金は、
リシェルのいた神社のさい銭箱に
入れておいてくれ」

瞑王は当たり前のように言った。
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