粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<映画鑑賞>

大森が次に向かったのは
映画館ではなく、
映画配給会社の試写室だった。
人目につかず、貸し切りにできる。

ゾンビ映画は・・

リシェルは
瞑王の腕にしがみついて、
悲鳴を上げていた。

その間に、
大森はポップコーンとコーラを
準備していた。

「ゾンビ映画・・結構面白いな」
瞑王は感心したように言った。

「でしょ!でしょ!」
リシェルは半泣きだが、
うれしそうに答えた。

最後はケーキバイキング。

大森は、大手ホテルのビュッフェ会場を予約をしておいた。

一般客と予約時間をずらしたので、ほとんど貸し切り状態になっていた。

ケーキは宝石のように美しく、
きれいに並んである。

リシェルは目を輝かせて、
どれにしようかお皿を片手に
うろうろしている。

「えー・・えー・・どうしよう。
どれも食べたい!」
「チョコレート系か・・
果物系かな」

瞑王も楽し気に、リシェルの横で
ケーキを選んでいる。

大森には二人は美しく、幸せそうなカップルに見えた。

特にリシェルは、表情がくるくる変わる。

ケーキを一口食べては
<幸せ!>と言った風に、
瞑王を見てふわっと笑う。

瞑王は優しいまなざしを、
リシェルに向けていた。

女の子がこんな風に笑顔になると、
その周りの空気は
花が咲いたように華やかになる。

<不思議なものだ・・
女の属性の特徴だな>

大森は二人を見ながら、
会場の隅でコーヒーを飲んで
考えていた。

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