粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題

巫女の帰還と要望・23-27ページ

<神社・石壁・リシェルの帰還>

もう、陽が暮れている。

街灯の明かりがつき始め、
空は濃紺にそまっていた。

その中で月だけが、
美しく冷たい光を放っている。

「さぁ、リシェル、今日はこれで
終わりだ・・いいね」

瞑王はやさしく、
少しうつむき加減のリシェルの頭をポンポン叩いた。

大森は
5メートル先の神社の石壁に
沿って、腕組みをして立っていた。

「今日はとっても、とっても楽しかったです・・・
こんなに楽しかった事って・・
ないくらい・・」

リシェルの声は最後、涙声になっていた。
そして瞑王にしがみつくようになっていた。

大森はそれを見て、視線をそらした。

微か(かすか)な罪悪感・・
というか・・
胸が重い感じがする。

リシェルが言った。
「最後にお願い・・あるのですが・・」

「なに?言ってごらん」
瞑王は本当に優しい。

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