粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<天界の神殿>

瞑王は先に立って移動し、
天界でもかなり上・・

さらに奥に入っていく。

霊体の上位クラスがいる場所なのだろう。

霊気が明らかに異なる。

金粉が
まるで(かすみ)のように、
空中に広がり先が見えにくい。

獄界出身の大森が、
本来なら絶対に踏み込んではいけない場所だった。

神殿・・
天界でも特別な場所だ。

空中に浮かぶ神殿は
薄く透き通り、金の(かすみ)覆われて(おお)外観がはっきりはしない。

大森は噂では聞いた事があったが、目の前の神殿の偉大さに
息を呑んだ。

「瞑王様、
私は入れない場所ですから・・・」

「うん、この外で待ち合わせしているから・・・」

神殿の入り口か?

遠くから
白い防護服に、全身覆われた霊体が、
重そうに雲の階段を、
下って歩いてくるのが見えた。

「おーい・・リシェル」

瞑王が空に向けて手を振った。

防護服の霊体が、やっと片手をあげた。

時間がかかったが、
防護服の完全防備の霊体が、
何とか大森と瞑王の前に到着した。

頭をさげたように見えたが、
バランスを崩して転がってしまった。

「リシェル・・大丈夫か・」

瞑王がしゃがんで、声をかけた。

フゴー・・フゴー

防護服から音が、くぐもって聞こえる。

瞑王はしゃがんで、大森を見上げた。

「あのさ、大森・・
彼女はリシェル」

大森は防護服の霊体に、
どのように接してよいか、
戸惑いを隠せなかった。
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