粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<天界の神殿前>

「彼女さ、獄界アレルギーなんだよね。
大森には悪いんだけど」

「はぁ・・何ですか・・
獄界アレルギーって」

「リシェルは現世でいう
<神殿の巫女>なんだ。
清浄でない環境はだめな体で・・」

<わさびが清流でなければ育たない>・・と同じか。

大森は半ば呆れて防護服の霊体と、瞑王をかわるがわる見た。

「じゃぁ、私では無理ですね、
現世も無理でしょう。
アレルギーなら」

「でもさ、
エリカちゃんの教育では、
リシェルが適任なんだ。

天界のすべての知識を持っているし。
属性も<女>だし。」

大森は、防護服で座り込んでいる霊体を見下ろした。

この霊体は・・
たぶん天界でも最高位に属するのだろう。

俺と組むのは無理だ。
獄界アレルギーで、そして属性の違い・・

まだ属性が<女>で同じなら、
何とかなったかもしれないが・・・
それでも天界の上位クラス出身でないと、無理だ。

「無理ですね」
大森はきっぱり断言した。

この話はこれ以上時間の無駄だ。

「そうか・・やっぱり無理か・・」
しかたなさそうに
冥王は腕組みして、うなずいた。

防護服の霊体はフゴフゴ、
何か言っている。

瞑王の前に、金色の光の小さい渦ができ、
その中心に文字が書かれていた。

「ええと・・待てよ」


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