【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
【13.過保護な夫】
「大丈夫か?痛くないか?」
部屋の中に入ると、藍は消毒しながらそう聞いていた。
「うん、大丈夫だよ」
「お腹痛いとか、ないか?」
藍はお腹に手を当てて、心配そうにそう聞いてきた。
「大丈夫だと思うけど……」
と答えると「心配だ。念の為、病院に行こう」と藍は言い出した。
「え!? そ、そんな……。大丈夫だって」
と言ってみたものの、藍は聞き入れてはくれず……。「ダメだ。子供に何かあったら大変だ。すぐに病院に行こうと」と言い出してしまった。
「藍、そんな……大丈夫だってば」
「ダメだ。すぐ支度してくるから、ちょっと待ってろよ? 車出してやるから」
「え?ちょっと、藍……!?」
藍はそう言い残し、部屋の方へと行ってしまった。
「もう、藍ったら……」
心配し過ぎだって、言ったのに……。藍は本当に過保護がますます増えてきた気がする。
妊娠してからというもの、藍の過保護は増していくばかりだ。こうやって何かあると心配して、何でもやってくれようとするし……。
妊婦だとしても、わたしにしか出来ないことだってあるって言うのに……。