【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「藍、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
仕事に出かける藍を見送ったわたしは、気合を入れるために一旦伸びをする。
「じゃあ、やりますか。 ね?」
赤ちゃんにもそう語りかけ、わたしはまずは部屋の掃除と洗濯をこなす。部屋の掃除機をかけ、洗濯を回している間に部屋の飾り付けを始める。
藍に少しでも喜んでもらいたいから、飾り付けもシンプルだけど可愛くしたいなと思う。わたしっぽい感じなんて、分からないけど……。
100円ショップで買ってきた材料たちを組み合わせていきながら、飾り付けをするのってちょっと楽しいなって思った。
「まさかわたしが、夫のためにこんなことをする日が来るなんて……」
想像もしてなかったし、したこともなかったよ……。
「藍にはたくさん、喜んでもらいたいね……。ね?赤ちゃん」
お腹に手を当てて赤ちゃんに話しかけてみると、わたしの言葉に反応したのか赤ちゃんが動いていた。
「あ、動いてる……」
赤ちゃんもきっと、嬉しいんだろうな。パパの一年に一度の大切な人、だもんね。
一緒にお祝い、しようね。……三人で、大切な日を。