【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
あ、どうせなら……。
「シャンパンも……買おうかな」
せっかくの藍の誕生日だ。わたしは飲むことは出来ないけど、藍にはとびっきりいい誕生日にしてほしいから、せめてシャンパンくらいは用意してあげたいな。
「……参った。買いすぎた」
藍を喜ばせたい気持ちがあったから、なぜかすごい買い物をしてしまった。
おかげでに荷物がとても重くて、腕が痛い。ここまで歩いてきたけど、流石に体力が持たなそうだから急遽電車で帰ることにした。
「重いっ……」
やばい。腕が痛い……。階段降りるの、ちょっとキツイかも……。
「大丈夫ですか? よかったら、持ちますよ」
駅の改札を抜けて階段を降りようとした時、近くにいた優しい女子高生の女の子がわたしを助けてくれた。
「……え?」
「妊婦さんには、優しくしなさいと母から言われてるので」
その女子高生は、にこやかに微笑んでそう言っていた。
「すみません……。ありがとうございます」
わたしはその子にお礼を言った。
「わたしの母、産婦人科の先生なんです」
「え、そうなんですか?」
「はい」
すごい……。産婦人科の先生なんだ。