【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「藍、ご飯にしよう。今日はローストチキンと、藍の大好きなドリアにしたんだ」
「ドリア?マジで……。嬉しいわ」
「すぐ用意するね」
藍はその間に「着替えてくる」と言って部屋にも戻っていった。
ローストチキンとドリアをテーブルに並べて、冷蔵庫からシャンパンとワイングラスを取り出し、テーブルに並べた。
「お、美味そう」
「食べよっか」
「マジか。シャンパンまで用意してくれたのか?」
目の前のテーブルに並べられた料理やシャンパンを見て、藍は嬉しそうに笑っていた。
「うん。……だって藍の一年に一度の、誕生日だから。喜んでほしくてさ」
「嬉しいよ、その気持ちだけで」
「……藍」
藍の嬉しそうな顔を見て、わたしも嬉しくなった。
「はい。シャンパン、どうぞ」
「ありがとう、透子」
わたしは藍のワイングラスに、静かにシャンパンを注いだ。
「わたしは、お酒飲めないから……。代わりにオレンジジュースにするね」
「ああ」
「……藍、お誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
そしてグラスを「乾杯」と交して、藍はシャンパンを口にした。