【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉

　それから2週間後ーーー

「おめでとうございます。　元気な男の子ですよ！」

　わたしは無事に、第一子の男の子を出産した。
　予定日よりも一週間も早く産まれてしまったけれど、それでもこうして大切な我が子に出会えたのが、奇跡だとさえ感じた。

「っ……。ありがとうございますっ……」

　産まれた瞬間の我の子の鳴き声と、その産まれたての表情を見たら、涙が止まらなくなっていた。
　この子がわたしたちの赤ちゃん……。この子がわたしたちの天使なんだ。

「可愛いですね。お母さんにそっくりですね」

　なんて言ってもらえるだけで嬉しくて、赤ちゃんを抱っこする時、妙に緊張して手が震えた。
　だけどその腕に抱いた瞬間に、愛おしさが溢れて思わず「あったかい……」と呟いていた。

　こうして産まれた我が子は、わたしたちにこれからたくさんの愛をもたらしてくれるに違いない。
　わたしたちはこれから、この子にたくさんの愛を注いであげるんだ。

「藍、お父さんになったよ」

「……まだ、父親になったっていう実感がない。　けど一つだけ感じるのは、奇跡が起きたってこと……だよな？」