【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
高城明人にそう言われ、わたしは「ありがとうございます」と笑みを見せた。
なんだかんだ藍は、父親のことを尊敬している。それだけでなく、父親みたいに自分も立派な父親になりたいと思っているようだ。
✱ ✱ ✱
そしてそれからニ年後の春、わたしたちの間に第二子となる男の子が誕生した。
次男には春生まれということもあり、漢字は違うけど藍と相談して、太陽みたいに明るい子になってほしいと願いを込め陽人(はると)と名付けた。
「透子、結人が公園に行きたいらしいから、連れて行くよ」
「ありがとう、藍。気をつけてね」
「おう。 一時間くらいで戻ってくるから」
「分かった」
ニ歳になった結人を抱きかかえ、近くの公園へと向かう藍の背中を見送り、わたしは陽人を寝かしつけることにした。
この前産まれたと思っていた結人も、もうニ歳になった。子供の成長は日々早いと感じる。
結人は少しずつ喋れるようになってきて、一歳半になる前に初めてわたしのことを「ママ」と呼んでくれた。
その時の感動は計り知れないし、すごく嬉しかったことを今でも鮮明に覚えている。