【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


 あんなクズ男の子を【妊娠した】という事実を突きつけられたわたしは、その次の日高城藍をホテル・カナリアの一室に呼び出していた。

「透子、俺だけど」

「入って」

 部屋のドアを開けた高城藍は、静かに部屋の中に入ってきた。

「ちょっと、どういうこと?」

「何がだよ?」

「とぼけないで……!」

 わたしは高城藍に近寄り、そう言葉を言いながら詰め寄った。

「正真正銘、アンタのせいなんだけど……。どうしてくれるのよ!?」

「何の話だよ?」

 またそうやってシラを切るつもり!?サイテー!
 どこまでクズなのよ!このクズ御曹司……!

「アンタのせいよ!アンタのせいでわたし、妊娠しちゃったのよ……アンタの子!」

 とぼけようとする高城藍に、わたしは怒鳴りつけるように言葉をぶつけた。
 
「そっか……。妊娠したのか、俺の子」

 だけどそう言った時の高城藍の表情はまるで、そのことを分かっていたかのような表情をしていた。

「……アンタ、わざとでしょ?」

 わたしはそう言って高城藍の反応を見た。

「わざとわたしが妊娠するように、仕組んだんでしょ!?」
< 20 / 157 >

この作品をシェア

pagetop