【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


【そうだっけ?】
 
 そうだっけ……!? 
 ウソでしょ。まさかそう言うとは思わなかった……!

【そうです。言ってません】

【でも、産んでくれるだろ?】

 そう言われても、産むかどうか決めるのはわたしだ。アイツが決めることじゃない。

【まだ分かりません】

 産むには当然、覚悟だって必要だ。わたしには今、そんな覚悟なんてない。
 むしろそんなこと、考えたくもない。妊娠したくてした訳ではないから、困っているくらいなのに……。

【俺は産んでほしいと思ってる】

【産むかどうか決めるのは、わたしです】

 わたしはそう返信して、スマホを閉じた。

「産んでほしいって、言われても……」
 
 わたしはアイツと結婚したい訳ではない。もし産むとしても、わたし一人で産んで育てる。
 アイツの手なんか借りないし、借りるつもりもない。 

「何なの、もう……」
 
 そうやってわたしの体を心配したりこまめに連絡してきたり……。よく分からない。
 いきなり過保護になって、すごく優しくしてくるし……。もう何なのか分からない。

「……もう、知らない」
 
 あんなヤツ、どうでもいい。
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