【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
なんでわたしは、こんな男に振り回されないとイケないのだろうか……。
ムカつくのに、すごいムカつくのに……。
「……一週間後」
「え?」
「今度の検診は、一週間後です」
「え、それって……」
「……じゃあ」
わたしはそう言って店内へと戻った。
「……本当にバカ」
そしてそれから一週間後の検診の日。
「透子、迎えに来たよ」
「……本当に、来たんだ」
高級車の運転席から降りてきた高城藍は、そう言ってわたしのそばにやってきた。
「当たり前だろ?俺たちの子供なんだから」
俺たちの子供なんだからか……。そりゃそうだ。
「さ、行こう。乗って?」
「いい。歩いていくから」
「いいから、乗れって」
「……分かったわよ」
助手席に座ると、高城藍は車を走らせた。
「そういや、透子」
車を走らせながら彼は、わたしの方に視線だけを向けた。
「……何?」
「結婚式、挙げたいか?」
「え?」
け、結婚式……? 結婚式!?
「結婚式挙げるなら、ハワイとかどうだ?」
「いやいや、ちょっと待って……」
気が早すぎるって……!