【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


 なぜそんなこと、わたしは言ってしまったのだろう……。こんなヤツと結婚するつもりなんて、なかったのに……。 
 本当にそう思ってた、のに……。

「……わたしのこと、ちゃんと守ってくれる?」

「もちろん。……守り抜くよ、どんなことがあっても」
 
 わたしのその問いかけに、高城藍は即答して答えた。
 そしてわたしの目を見つめると、わたしの左手を取り片方だけ膝をつく。そしてそのまま映画のワンシーンに出てきそうなポーズを取り、再びわたしにプロポーズの言葉を放った。

「藤野透子さん。俺と結婚してください」

 そんな真剣な目で見つめられたら、もう答えは【ノー】なんて言えないじゃない……。

「……はい」

 わたしは自然と、そう答えていた。自分でもよく分からない。
 あんなに高城藍と結婚することを拒否していたわたしだったのに、自然と受け入れてしまっていた。

「え……。本当か?」

「……だから、はいって言ったでしょ」

 何度も言わせないでよ、もう……。

「透子……。ありがとう」

「別に。勘違いしないでね?あなたのためじゃ、ないからね」
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