【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「……仕方ないな」

「何だ、意外と素直じゃん」

 そんなことを言われても、ちっとも嬉しくないんだけど……。なんて思いつつも、藍はわたしを抱きしめながら幸せそうな表情をしていた。
 そんな表情を見たら、拒むなんて出来ない気がした。

「ここにいるんだよな、俺たちの赤ちゃんが」
 
 お腹に手を回し撫でるように触れてきた藍。

「……そうだよ。赤ちゃん、いるよ」

 わたしだってまだ、あまり実感なんてない。だけどこれから少しずつ大きくなるそのお腹を見たら、わたしだって更に実感する。
 藍の子供が、ちゃんとここいることを。そしてわたしたちが、これから【家族】になっていくことを……。

「夢みたいだ……。でも今、俺すげぇ幸せだわ」

 藍がそんなことを言うなんて、思ってもなかった……。わたしと結婚して幸せだって、言ってくれるんだ……。

「早く会いたいな。俺たちの子供に」

「……そうだね。会いたいね」

 わたしも最近、その気持ちが芽生え始めてきた。
 この子に早く会いたい。……早く、この手で抱きしめたい。

「俺たちの子供、きっとすげぇ可愛いだろうな」
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