【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「さぁ透子、寝ようか」
その日の夜、ベッドに潜りわたしのそばにやってきた藍は、嬉しそうにそう言ってきた。
「いいよ。先に寝て」
そう言ったけど、藍は「いいから、一緒に寝よう」と言って聞かなかった。
「……はぁ。分かったよ」
何度言っても聞かなそうだったので、諦めて寝ることにした。
「透子の肌はすべすべだな」
なんてわたしを抱きしめながら、藍はそう言ってきた。
「何?いきなり」
「透子の肌、触り心地いいんだよな。マシュマロみたいでさ」
そんなことを言われると、なんだか恥ずかしくなる。
「もう、そんなこと言うのやめて……」
「だって事実だし。透子の肌、マシュマロみたいで可愛い」
恥ずかしげもなくそんなことを言ってくる藍に、ちょっと戸惑うけど……。
「おやすみ、透子」と微笑む藍に、わたしも「おやすみなさい」と返事をした。
そして次の日朝、目が覚めるとそこに藍はいなかった。
ベッドから起き上がりリビングに行くと、藍はのんびりとコーヒーを飲みながら、何やら書類に目を通していた。
「藍……?」
「透子、おはよう」