【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「……はぁ」
最近、毎日こんな感じなんだよね……。
朝から抱きつかれて、愛してると言われる。そして仕事から帰ってくると、いつもお腹の赤ちゃんに話しかけている。
それも嬉しそうに、話しかけているのだ。
「結婚して、良かったのかな……」
もうよく分からない。結婚してから初めて一緒に暮らしているけど、藍の考えていることはよく分からない。
ただ毎日、ちゃんと愛の言葉をくれる。ちゃんと言葉にして。
「……あなたの父親は、よく分からない人だよ」
藍は優しい。そしてわたしを甘やかしてくる。
「はぁ……」
あんなに拒否しようとしてたのに、結局そのプロポーズを受け入れてしまったし……。
左手の薬指に嵌めているその結婚指輪を眺めながら、わたしは色んなことを思っていた。
藍と結婚したすぐ後、妊娠してるのに働くのは体に負担がかかるからと、カフェの仕事は藍に言われて辞めることになった。
それからはこうして、家の周りでゆったりと過ごしている。 幸いつわりはあまりなく、いつも通りに過ごしていることの方が多い。
まぁ家にいるのも、退屈に感じるのだけど……。