【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


 わたしのスマホには、藍からそんなメッセージが来ていた。

【もう……。仕事に集中して】
 
 と一言だけ送ると、わたしはすぐにスマホを閉じてふとテレビを付けた。

【無理だ。透子に会いたい。もう帰りたい】

【帰ったら透子をギュッと抱きしめたい】

 などのメッセージが送られてきたけど、わたしはそのメッセージを無視した。
 いちいちメッセージを返してきたら、キリがないもん……。

 その日のお昼、わたしはさっぱりしたものを食べたくてうどんを茹でて食べた。
 藍はいつも高級なものばかり食べているから、こんな庶民的な物を食べるなんて想像出来ないけど、文句の一つも言わずに食べてくれる。
 料理の味付けに失敗した時だって、マズいと言えばいいのに、そんな言葉を一切言わずに食べるんだ。

「……アンタの父親は、そんな人なんだよ」

 何てお腹の子に話しかけても、何も言う訳はないけど……。藍が優しくて子供思いなことだけは、妻であるわたしにも分かる。
 藍はなんだかんだ、わたしたちのことを大切にしてくれている。子供が産まれたら、藍はきっと子供のことを溺愛してくるだろうな……。
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