【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「ただいま、透子」
「おかえ……わっ!?ちょっと、藍……!?」
その日の夜、藍は帰ってきてすぐわたしをギュッと抱きしめてきた。
「会いたかった、透子。今日も愛してる」
「もう、藍ったら……」
抱きしめる強さはちょっと強いけど、微かに香る藍のそのニオイにも、少しずつ慣れてきた。
「藍の、ニオイ……」
思わずそう呟くと、藍は「何だ。嬉しいのか?」とニヤリとしながら聞いてきた。
「……うるさい」
藍から離れて背を向けると、今度は後ろから抱き締められる。
「きゃっ!? ちょっと、藍……?」
「透子、俺お前のこと愛してるんだ」
「何?いきなり……」
そんなことを言われてわたしは、そのくらいしか返す言葉がない。
「ずっと一緒にいよう。……これからもずっと、俺たち三人で」
三人で……。それはわたしと子供と、三人でってことだよね……?
「藍……」
「透子……愛してる」
そっと名前を呼ぶと、藍が頬に触れてくる。そしてそのまま見つめられ、藍と唇を重ねた。
なぜか分からないけど、わたしは唇を重ねられて静かに目を閉じた。