【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
【8.支え合っていくこと】
それからニ週間後が経った頃、藍の父親である高城明人から、家に来ないか?と誘いを受けた。
「え、食事会……?」
わたしと、藍の両親とで……?そんなの気まずすぎる……。
「ああ、親父が透子と話をしたいそうだ」
「わたしと、話を……?」
「ああ。 行くだろ?」
そう言われると正直、行きたくないと思ってしまう所もあるけど……。
でも家族になるんだから、それもやむを得ないよね……。覚悟を決めるしか、ないか。
「分かった。行く」
「ああ。じゃあ親父に伝えておくよ」
「……うん」
高城明人のことはよく知らない。どんな人なのかって聞かれると、夕月園を買収してわたしたちを追い出したサイテーな人という認識でしかないのだから。
夕月園がなくなって藍と結婚したことは、間違いではないと思いたい。……けど、そう思える自信がわたしにはない。
「……なぁ、透子」
「何?」
「透子はまだ、親父のことを恨んでるか?」
藍から突然、そう問いかけられた。
「……分からない」
「え……?」
「その答えは、わたしには分からない。……どうなんだろうね」