【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


 そう。家族になるんだよ、わたしたちは。

「愛してるよ、透子」

 そう言って唇を重ねてくる藍。そしてわたしは、そのキスの時、自然と目を閉じていた。

「もう一回していい?」

 そう聞かれたわたしは「どうせダメって言っても、してくるんでしょ……」と答えた。
 
「正解。良く出来ました」

「バカにしなっ……」

 バカにしないでと言おうとしたのに、藍の唇に塞がれて言葉が言えなかった。

「透子、可愛い」

 そんなことを言われたわたしは、「可愛いとか、言わないで……」と言葉を返した。

「可愛いよ、透子は。 世界で一番、可愛い俺の奥さんだよ」

「もう、そんなに可愛いとか言わないで……」

 そんなに可愛いと連呼されると、恥ずかしすぎるって……。

「だって可愛いんだから、仕方ないだろ?」

「……仕方なく、ないから」

 もう……。藍はいつもそうだ。そうやってわたしを惑わせてくる。
 わたしの心を、わたしの鼓動を揺らしてくる。

「透子、照れてる?」

「はぁ?照れてないから……」

「照れなくても良いって」

「だから、照れてないって……」
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