【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
藍のしつこさは、世界一かもしれない。
だけどその愛を表現してくれるのも、藍が世界一なのかもしれないとさえ思う。
わたしは妻として、こんなにも藍から愛されているんだな……。
それから一週間後の夜、わたしたちは高城家で夕食を食べていた。
「美味しい?透子さん」
「はい。美味しいです」
藍のお母さんは優しくていい人だ。妊娠中のわたしを気遣ってくれて、オーガニックな物を出してくれたりしている。
「良かった。無理しなくていいから、食べれる物だけ食べてね」
「ありがとうございます」
こうやって見ると、藍は父親というよりも母親に似ている気がする。目元とか鼻とか。
「透子さん、つわりは大丈夫なの?」
「はい。大丈夫です」
「もしかして、透子さんは食べづわり?」
そう聞かれると、そうなのかもしれない。この前の検診でも、少し体重を増やしすぎてしまったようで、少し先生から注意されてしまったし……。
つわりって思ったより辛くないんだなって思ってたけど、食べづわりっていうのも困るな……。
「そうなのかもしれないです」
「そうなの。気を付けてね」