【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「透子さん、今日は来てくれてありがとう」

「こちらこそ、今日はごちそう様でした。ありがとうございました」

「また来てね。透子さん」

「はい」

 食事を終えたわたしたちは、自宅へと帰宅するために家を出た。

「透子、色々と悪かったな」

「え?なんで謝るのよ……?」

 藍が謝るなんて、珍しい……。

「親父のことだよ。気に障ったら、すまない」

「ううん。……別に平気だよ」

 そんなこと気にしてても、仕方ないしね。

「そうか。透子は強いんだな」

「……強くなんてないよ」

 強い訳、ないでしょ……。本当はとても心細いし、とても不安なのに。
 それでも頑張りたいと思うのは、わたしが母親だからだ。この子を産みたいっていう、その気持ちだけがわたしを突き動かしている。

「透子、不安になる気持ちも分かる。だけど大丈夫だ。 俺が透子のこと、必ず支えてやるから」

 藍のその言葉は、わたしを信じることにする。
この子の父親は、藍だから。
 
「……うん。支えてよ、ちゃんと」

「当たり前だ。透子は、俺の妻なんだから」

 ーーー藍の言葉は、何だか不思議だ。
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