【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「……透子」

「だけどわたし、負けないから。この子を守るためにも、わたしは強くならないといけないの。……もし高城社長に今後何を言われたとしても、わたしは絶対負けないから。 わたしにもプライドがあるの。 母親としての責任があるの」
 
 母親になるの、わたしは。こんな所で弱音なんて吐いてる場合じゃない。
 強くならないといけない。母親になるために。

「……透子は強いよ、もう」

「……え?」

「透子は充分強くなってる。 俺なんかよりもずっと」

 藍の言うことに、何も言い返すことも出来なかった。

「藍……」

「透子は頑張ってる。君は一生懸命母親になろうと、毎日努力してる」

 藍にそんなことを言われると思わなかったわたしは、予想外のことでビックリした。

「透子は偉いよ。 俺は透子のその頑張りを知ってるからこそ、透子らしくいてほしい」

「……え?」

 わたし、らしく……?

「透子には透子の良さがある。……透子の優しさに、俺はいつも励まされているし、感謝してるんだよ」

「藍……」

「親父に認めてもらおうなんて、思わなくていい。透子ば俺の゙妻なんだから」
< 87 / 157 >

この作品をシェア

pagetop