【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「……透子」
「だけどわたし、負けないから。この子を守るためにも、わたしは強くならないといけないの。……もし高城社長に今後何を言われたとしても、わたしは絶対負けないから。 わたしにもプライドがあるの。 母親としての責任があるの」
母親になるの、わたしは。こんな所で弱音なんて吐いてる場合じゃない。
強くならないといけない。母親になるために。
「……透子は強いよ、もう」
「……え?」
「透子は充分強くなってる。 俺なんかよりもずっと」
藍の言うことに、何も言い返すことも出来なかった。
「藍……」
「透子は頑張ってる。君は一生懸命母親になろうと、毎日努力してる」
藍にそんなことを言われると思わなかったわたしは、予想外のことでビックリした。
「透子は偉いよ。 俺は透子のその頑張りを知ってるからこそ、透子らしくいてほしい」
「……え?」
わたし、らしく……?
「透子には透子の良さがある。……透子の優しさに、俺はいつも励まされているし、感謝してるんだよ」
「藍……」
「親父に認めてもらおうなんて、思わなくていい。透子ば俺の゙妻なんだから」