【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
そう言ってわたしの涙を、親指で優しく拭ってくれる藍。そしてわたしの髪の毛を優しく撫でながら、藍は「透子に泣き顔なんて、似合わないよ」と言ってくれた。
そんな藍の微笑む姿に、わたしは「ありがとう……藍」と返事をした。
「透子は俺の妻になるのに相応しい人だよ。 俺の妻になれるのは、透子しかいないんだよ」
「……いい妻になれないかもしれないよ、わたし」
そう言葉を返すと、藍は「いい妻になんてならなくていい。……言っただろ?透子は透子のまま、いてくれればいいって」と言葉を返してきた。
「俺が透子のことを幸せにする。透子が毎日幸せで死にそうになるくらい、幸せにしてやるって言っただろ?」
藍の力強さのあるその愛の言葉に、わたしは少し救われた気がした。
「……バカ。幸せで死んだら、もう幸せにしてもらえないじゃない」
「あっ、それもそうか」
「そうだよ……。死んだら、藍にもう抱き締めてもらえないじゃん……」
なんて、いつものわたしらしくないことを言っている。
なぜだろう……。完全に藍のペースにハマってしまっている。
「何だよ、透子。今日はやたら素直じゃん」