【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
「……はぁ?」
さ、寂しいって……。そんなこと、ないのに。
「透子は、本当にいい体してるんだよな……。あの抱き心地、たまらないんだよな。な、透子?」
「なっ……!? あ、藍のバカ……!変態っ!」
藍のそのニヤニヤした表情に、わたし藍の腕を叩いた。だけど藍にその腕を掴まれてしまう。
「あ……おい?」
藍に見つめられると、いつもその瞳(め)から逃れることが出来ない……。
「透子、俺のことどう思ってる?」
「……え?」
そして真面目な表情になり、わたしを見つめてくる。
「透子は俺のこと、好きになってくれた?」
「それは……」
その答えは、わたしの中ではもう決まっている。
「それは?」
そう問いかけられたわたしは、少し考えてから「……そうだと、思う」と答えた。
「え?」
「多分……。そうだと思う」
いつからかなんて、分からない。……だけどわたしは、藍のことを好きになっていたのかもしれない。
気がついたら、藍のことばかり考えようになっていた。 藍の優しさに触れる度に、胸がドキッとするし、ちょっと嬉しくなったりしたし。