【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
それでもちょっと、嬉しいと感じる自分もいる。
「透子、豆乳飲む?」
「あ、うん」
「じゃあ俺、豆乳出してやるよ」
藍は冷蔵庫から豆乳を出すと、お揃いのマグカップを取り出して豆乳を注いだ。
「ありがとう、藍」
とお礼をすると、藍は「お礼ならキスでお願いしたいかな」と言った。
「はぁ……?キスって……。イヤよ」
と拒否すると、藍は残念そうな表情で「残念」と口にした。
「ほら、朝ご飯食べるよ」
「おう」
【いただきます】と手を合わせて、朝ごはんを食べ始める。
「ねぇ、藍」
「ん?」
「今日、夕方から雨降るみたいだから、傘持ってた方がいいよ」
わたしは朝ご飯を食べながらそう言うと、藍は「分かった」と答えた。
「藍、偏頭痛あるんでしょ?大丈夫なの?」
藍は昔から偏頭痛があるみたいで、天気が悪くなったりすると、頭が痛くなるらしい。
この前もいきなり頭が痛いと言って、少し辛そうにしていたし。ちょっとだけ心配になった。
「心配してくれてありがとうな。でも頭痛薬飲めば治るから、大丈夫だ」
「あまり、無理しないでね」