【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
3.聖獣は急に止まれない
「では、こんな口づけは?」
背の高いヴォルフが覆いかぶさってくる。
わたしはほとんど真上を見上げるような姿勢で激しく口づけられた。
「マリアーナ……」
力強い腕に甘く拘束されたわたしを、ヴォルフが喰らう。
口の中に舌が入りこんできて、わたしの舌や上顎を舐める。息継ぎのために一瞬離れると、その間も我慢できないとばかりに唇を食まれる。
「んぁ……あぁ、ヴォルフ」
とけてしまう。
うれしくて愛しくて、気持ちがいい。
「こんなの初めて……」
「マリアーナ、可愛い。こんなことはどうだ?」
ゆっくりと背中を撫でていた手がすうっと下りてきて、おしりを優しく揉んだ。
「……んっ」
おしりをさわられているのに、なぜか足の間がむずむずとしてくる。
「なんだか、体が変なの」
少し身をよじって太ももをこすりあわせヴォルフを見上げると、彼はひゅっと息を呑んだ。