【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「その後、聖なる水晶から細いひと筋の光が放たれ、常に一定の方向を指ししめすようになったのです。我々はそれこそが真の聖女の居場所を示す啓示ではないかと考え、こうしてここまで参りました」
「…………」
「どうか聖女殿に拝謁する栄誉を我らにお与えください」
真の聖女……。
そう。ここを下りたら、わたしは身代わりの聖女ではなく、本物の聖女になるのだ。
わたしは彼らに聞こえるように大きな声で返事をした。
「国王陛下、今そちらに参ります。お待ちくださいませ」
下のほうで、陛下や神官達、護衛の騎士達がどよめく気配がした。
わたしはできるだけなだらかな斜面を探し、彼らの前に下りていった。
王国を代表する男達の鋭い視線が集中するのを感じる。
「国王陛下、神殿長様、ご無沙汰しております」
わたしは大神殿の聖宮で習った正式なお辞儀をする。
冒険者用の上着はドレスのように裾が長くはないので、形だけのカーテシーだ。
男達が息を呑んだ。
「あなたは……? その黒髪、聖女モーリーンにそっくりなお顔……もしや、もしやあなたはマリアーナ様では?」
「…………」
「どうか聖女殿に拝謁する栄誉を我らにお与えください」
真の聖女……。
そう。ここを下りたら、わたしは身代わりの聖女ではなく、本物の聖女になるのだ。
わたしは彼らに聞こえるように大きな声で返事をした。
「国王陛下、今そちらに参ります。お待ちくださいませ」
下のほうで、陛下や神官達、護衛の騎士達がどよめく気配がした。
わたしはできるだけなだらかな斜面を探し、彼らの前に下りていった。
王国を代表する男達の鋭い視線が集中するのを感じる。
「国王陛下、神殿長様、ご無沙汰しております」
わたしは大神殿の聖宮で習った正式なお辞儀をする。
冒険者用の上着はドレスのように裾が長くはないので、形だけのカーテシーだ。
男達が息を呑んだ。
「あなたは……? その黒髪、聖女モーリーンにそっくりなお顔……もしや、もしやあなたはマリアーナ様では?」