【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「いえ、その……」

 もしかしてモーリーンと間違われているのだろうか。
 ちらりと横を見ると、神殿長がうなずいてくれた。
「皆、重要な話がある。聖宮を担当する者を全員広間に集めなさい」





「他の神官にもいずれわかることだが、聖女様のお世話をする皆には先に話しておきましょう」

 神殿長から直々に、女性神官達に説明があった。

 わたしとモーリーンが双子の姉妹であること。
 先日の聖女継承の儀でモーリーンが聖なる水晶を光らせることができず、聖女として認められなかったこと。
 そして、聖なる水晶の導きで、真の聖女がモーリーンの姉、わたしマリアーナであると判明したこと。

「双子の聖女様……」

 二十人以上いるだろうか。
 聖宮の広間に集まった女性神官達がざわめいた。

「……まさか聖女様が」
「やっぱり……」

 途切れ途切れに小さなささやきが聞こえてくる。
< 126 / 294 >

この作品をシェア

pagetop