【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
わたしは振り返って丁寧にお辞儀をした。
「国王陛下、ご機嫌麗しゅう存じます」
「ついにこの日が来たな」
「はい……」
陛下はわたしの手を取り、指先にそっと口づける。
「あの……人が多くないでしょうか」
「ああ。前は主要な者だけが出席していたのだが、此度は希望者にはこの場に立ち会うことを許可した。王家の威信にかけて、聖女継承の儀を成功させなければならない」
王家の威信……。
これまで聖女継承の儀を二回失敗しているから、王家にか国王陛下にかわからないけれど、不信の念を持つ人もいるのかもしれない。その人達に儀式の成功をきちんと証明しないといけない、ということだろうか。
「今日は妃達も連れてきた」
「……え?」
「皆、聖女殿に会いたいと言うのでな」
陛下の後ろには数人の男女が控えていた。貴族達の中でもひときわ豪奢に装っている。
「王妃のフェデリーカ。こちらは王太子のエウスタシオだ」
陛下よりもやや若く見える美しい金髪の女性と、陛下によく似た黒褐色の髪の青年。わたしよりも少し年上だろうか。
「国王陛下、ご機嫌麗しゅう存じます」
「ついにこの日が来たな」
「はい……」
陛下はわたしの手を取り、指先にそっと口づける。
「あの……人が多くないでしょうか」
「ああ。前は主要な者だけが出席していたのだが、此度は希望者にはこの場に立ち会うことを許可した。王家の威信にかけて、聖女継承の儀を成功させなければならない」
王家の威信……。
これまで聖女継承の儀を二回失敗しているから、王家にか国王陛下にかわからないけれど、不信の念を持つ人もいるのかもしれない。その人達に儀式の成功をきちんと証明しないといけない、ということだろうか。
「今日は妃達も連れてきた」
「……え?」
「皆、聖女殿に会いたいと言うのでな」
陛下の後ろには数人の男女が控えていた。貴族達の中でもひときわ豪奢に装っている。
「王妃のフェデリーカ。こちらは王太子のエウスタシオだ」
陛下よりもやや若く見える美しい金髪の女性と、陛下によく似た黒褐色の髪の青年。わたしよりも少し年上だろうか。