【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「おまえが俺を選んでくれたなら、俺はすべてのものからおまえを守る。だから、俺を選んでくれ」

 まるで懇願するかのようにささやく低い声。
 わたしは振り返って、深い想いを浮かべる金色の瞳を見つめた。

「忘れちゃった? 深淵の森でヴォルフに助けられて……。あの時、わたしは生まれて初めて、自分で自分の道を決めたの。……あなたと一緒に生きていくんだって」
「マリアーナ……」
「あなたとずっと一緒にいたい。あなたのそばにいさせてください」

 返事はなかった。
 言葉よりも遥かに熱い口づけが二人の誓約の印となった。



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