【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~

7.媚薬が抜けるまで



 口づけは長く続いた。
 逢えなかった時間を埋めるように、ヴォルフもわたしもお互いを求めた。

「マリアーナ、愛してる……」
「もっと……もっと、口づけて。あなたを感じたいの……」

 少しでもふたりの間に隙間があるのがいやだった。
 覆いかぶさるようにしてわたしの唇を食むヴォルフ。わたしもヴォルフの首に両腕を回してしがみつく。

「はぁ……ヴォルフ、熱い」

 体の奥底にたまっていた熱が次第にまた広がりはじめた。

「我慢しなくていい。ずっと一緒にいるから」

 ヴォルフがゆっくりと背中を撫でてくれた。

 わたしを守ってくれる、たくましい胸。力強い腕。優しいヴォルフの匂い。
 ここは安心して身を任せていい場所なんだ……。

 そう思ったらもう歯止めが効かなくなった。
 甘い熱が燎原の火のように勢いよく燃え広がる。

「あぁ……」

 視界がぼんやりしてくる。
 もう、ヴォルフしか見えない。
 ヴォルフが欲しくてたまらない。

「マリアーナ、何もかも忘れて俺を感じろ」
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