【書籍化＆コミカライズ】身代わり聖女の初夜権～国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています～

「マリアーナ、可愛い」

　ヴォルフの口づけがちゅっちゅっと顔中に降ってくる。

「どうだ？　体は楽になってきた？」
「ん……よく、わからない……」

　凄く眠いのになぜか眠れない夜のような……強い疲労感と高揚感が交互に襲ってくる。
　ヴォルフは額から汗を滴らせながらも優しい目でこちらを見ていた。なんだか安心する。

「ヴォルフ、だいすき……」

　幸福感が心の中に満ちているのに、疲れ果ててしまってうまく口が回らない。
　ただヴォルフにこの気持ちを伝えたくて「だいすき」と繰り返した。

「俺も好きだ。心から愛してる。……さあ、もう寝ろ」

　ヴォルフに頭を撫でられて、すうっと意識がとけていった。