【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「あの、わたし……」
手ぬぐいを持っていないのに気が付いて、両手で胸と秘所を隠す。荷物は全部ヴォルフが持ってくれていたんだった……。
「……わたし……」
どうしたらいいのかわからなくて、羞恥で涙ぐんだ瞳でヴォルフを見上げる。ヴォルフの視線はさらに鋭くわたしを突き刺した。
「マリアーナ……」
かすれた声で名を呼ばれる。
生まれてからずっと呼ばれてきた名前が何か特別なもののように感じた。
「頼むから……そんなに俺を煽るな」
「煽ってなんか……そんなつもりじゃなかったの……」
「わかってる。……とにかくそのままじゃ風邪を引く。早く湯に浸かってくれ」
「は、はい!」
わたしは慌てて脱衣場から飛び出した。
後ろからヴォルフの大きなため息が聞こえてきた。
温泉は透明でなんの匂いもしなかった。独特の匂いがするあの白い温泉とまったく違っていてびっくりする。同じ湖にあるのに。
つるつるとした肌ざわりで、少しぬるいくらいの温度が気持ちいい。
そして、何よりも景色が素晴らしかった。
「マリアーナ、入るぞ」
「どうぞ」
手ぬぐいを持っていないのに気が付いて、両手で胸と秘所を隠す。荷物は全部ヴォルフが持ってくれていたんだった……。
「……わたし……」
どうしたらいいのかわからなくて、羞恥で涙ぐんだ瞳でヴォルフを見上げる。ヴォルフの視線はさらに鋭くわたしを突き刺した。
「マリアーナ……」
かすれた声で名を呼ばれる。
生まれてからずっと呼ばれてきた名前が何か特別なもののように感じた。
「頼むから……そんなに俺を煽るな」
「煽ってなんか……そんなつもりじゃなかったの……」
「わかってる。……とにかくそのままじゃ風邪を引く。早く湯に浸かってくれ」
「は、はい!」
わたしは慌てて脱衣場から飛び出した。
後ろからヴォルフの大きなため息が聞こえてきた。
温泉は透明でなんの匂いもしなかった。独特の匂いがするあの白い温泉とまったく違っていてびっくりする。同じ湖にあるのに。
つるつるとした肌ざわりで、少しぬるいくらいの温度が気持ちいい。
そして、何よりも景色が素晴らしかった。
「マリアーナ、入るぞ」
「どうぞ」