【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「とけてしまいそうなんだろ?」

 わたし、口に出してたの!?

「え、え、あ……っ!?」

 ヴォルフがいたずらっぽくささやく。

「……もう一度する?」

 かあーっと顔が火照った。

「も、もう、ヴォルフ! あんなにしたじゃない」
「まだ足りない。いくらでもしたい」
「えぇ!?」
「忘れてるかもしれないけど、俺は愛と性の女神の眷属神だぜ? ご期待にはお応えしましょう」

 気取った口調で言うけれど、言ってる内容は……。

「ヴォルフったら。もうー!」
「ははは、わかってる。夜まで待つよ。日が暮れてからのほうが女神の力が強いからな」
「女神様の……?」

 にやにやしたヴォルフがわたしの耳に低い声を吹きこんだ。

「愛と性の女神の、な」
「…………ヴォルフ!」

 ヴォルフを押しのけて寝台から飛びおりたいけど、体が痛くて動けない。
 これって筋肉痛? こんなことで筋肉痛になるなんて……恥ずかしい。

「うん? どうした?」
「なんでもない」
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