【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 わけがわからず困惑するわたしに、女神様はにっこりと微笑んだ。

「マリアーナちゃんの体の奥の奥まで、ヴォルフの神力が染みこんでいるのがわかるわ。ええ、それはもう濃ゆく」
「濃ゆ、く……」

 恥ずかしさで爆発するかと思った!
 筋肉痛の恥ずかしさなんて忘れてしまうほど恥ずかしい。

「それでね、この湖、大神域にしちゃったの! これでわたくしも神力を抑えずに、ここにいられる。いつでも遊びに来られるわよ!」

 ほめてほめてと言わんばかりに、にこにこする女神様。
 ヴォルフがあきらめたようにため息を吐き、首を振った。わたしの腰を抱き頬に口づける。

「少しはこっちの話も聞いてほしいものだが……。まぁ、神域になれば魔獣は入れなくなるし気候も安定する。天変地異も起こらない。マリアーナも安心して暮らせるだろう」
「ヴォルフと初めて逢った、神殿の森みたいな?」
「ああ。だが、ここは女神の直轄地のようなものになった。あれよりもずっと守りが堅い」

 女神様に視線を移すと、わくわくと期待に満ちた目でわたしを見つめている。
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