【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
陛下の瞳の中に、ふと炎のようなものが揺らいだ気がした。
「私はあなたの願いなら、なんでも叶えて差しあげたいと思っている」
「陛下……わたしは、願いなんて、何も」
陛下は深い皺の刻まれた頬に、優しい笑みを浮かべた。
「謙虚な方だ。あなたは国にただ一人の聖女なのだ。あなたの前に、私をひざまずかせることだってできるのだよ? ……このように」
そして、わたしの手を握ったまま椅子を下り、わたしの前に騎士のように片膝を付いてひざまずく。
「へ、陛下! おやめください。わたしのような平民にそんな……!」
「平民も王も、愛を乞う気持ちに変わりはないだろう」
「あ、愛……?」
「聖女殿。愛しいひと。初めてあなたを見た時から、私はあなたの虜になってしまった。この数日あなたと過ごして、この気持ちが一時の気の迷いではないと確信した」
陛下が……この国を治める君主が、今度は見間違えようがないほど熱い瞳で、わたしを見つめている。
「あなたの心を曇らせるものはすべて取りのぞこう。美しい宝石や華やかな音楽で、あなたの人生を彩ろう。だから、あなたの愛を私に与えてほしい。私の聖女、モーリーン」
「私はあなたの願いなら、なんでも叶えて差しあげたいと思っている」
「陛下……わたしは、願いなんて、何も」
陛下は深い皺の刻まれた頬に、優しい笑みを浮かべた。
「謙虚な方だ。あなたは国にただ一人の聖女なのだ。あなたの前に、私をひざまずかせることだってできるのだよ? ……このように」
そして、わたしの手を握ったまま椅子を下り、わたしの前に騎士のように片膝を付いてひざまずく。
「へ、陛下! おやめください。わたしのような平民にそんな……!」
「平民も王も、愛を乞う気持ちに変わりはないだろう」
「あ、愛……?」
「聖女殿。愛しいひと。初めてあなたを見た時から、私はあなたの虜になってしまった。この数日あなたと過ごして、この気持ちが一時の気の迷いではないと確信した」
陛下が……この国を治める君主が、今度は見間違えようがないほど熱い瞳で、わたしを見つめている。
「あなたの心を曇らせるものはすべて取りのぞこう。美しい宝石や華やかな音楽で、あなたの人生を彩ろう。だから、あなたの愛を私に与えてほしい。私の聖女、モーリーン」