【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
番外編

もふもふ達の男子会



「番が欲しい……」
「あんなに可愛い番がいたら、毎日楽しいよね……」
「ヴォルフにだけ運命の出逢いがあるのは、不公平ではないでしょうか……」

 アホ狼が根城に決めた湖の岸辺。
 憎らしいほど明るい月が、たくさんの酒瓶と、アホ狼の番ちゃんが作ってくれたツマミを照らしている。

「はぁー、どこにいるんだろ、僕の番」

 ため息が止まらない。
 そして、酒の勢いも止まらない!

 今日はアホ狼と番ちゃんの結婚式だった。
 幸せいっぱい夢いっぱいなふたりを家に送り返したあと――わびしく酒盛りをしているのは、僕達、女神レクトマリアの眷属神三人組。

 これまで四人でつるんでたんだけど、アホ狼がイチ抜けしたので、三人組だ。くそー。
 もう戻ってきても、仲間になんか入れてやらないんだからな。
 というか、戻ってくるなよ! 幸せになれ! くそー。

 まあ、これからも仕事で組むことはあるんだけどね。

「番……」

 重低音の声で唸っているのは、黒獅子のレオン。
 ガタイがでかくて、強面で無口。手入れをしていないボサボサの黒髪も相まって、初対面だとほぼ確実に恐れられるのだが、根は優しくて穏やかだ。
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