【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
わたしが聖女として国王陛下に求められ純潔を失いそうになった時、助けに来てくれたヴォルフの神力のあまりの強大さに『聖なる水晶』は粉々に砕けた。
聖なる水晶がなければ、人は新たな聖女を探し当てることができない。そして聖女が見つからなければ、為政者が『女神の加護』を得ることもできない。
それまでは聖女の処女を国王陛下に捧げることによってもたらされる女神の加護の力で、国は平穏に保たれ豊かな収穫を約束されていると信じられていたのだ。
そのうえわたしは女神様に直接頼んで、この世から聖女というものをなくしてもらった。聖女ひとりが人身御供になって国の平安を守る伝統がおかしいと思ったから。
「聖女がいなくなって、自分達の力だけで生活をしなければならなくなったでしょう?」
「ああ」
「今まで頼ってきたものが突然なくなって、みんな不安もあると思うの。でも、人は生きていかなければならない。だから、何かをお祝いすることで気持ちを盛りあげようとしているんじゃないかしら」
「それでマリアーナの誕生日を利用するのか? つくづく勝手な生き物だな」
聖なる水晶がなければ、人は新たな聖女を探し当てることができない。そして聖女が見つからなければ、為政者が『女神の加護』を得ることもできない。
それまでは聖女の処女を国王陛下に捧げることによってもたらされる女神の加護の力で、国は平穏に保たれ豊かな収穫を約束されていると信じられていたのだ。
そのうえわたしは女神様に直接頼んで、この世から聖女というものをなくしてもらった。聖女ひとりが人身御供になって国の平安を守る伝統がおかしいと思ったから。
「聖女がいなくなって、自分達の力だけで生活をしなければならなくなったでしょう?」
「ああ」
「今まで頼ってきたものが突然なくなって、みんな不安もあると思うの。でも、人は生きていかなければならない。だから、何かをお祝いすることで気持ちを盛りあげようとしているんじゃないかしら」
「それでマリアーナの誕生日を利用するのか? つくづく勝手な生き物だな」