【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「それは……でも、聖女様も恨んではいないでしょう。今は女神様の身許で幸せに暮らしていると思いますし」
「そうかそうか、奥さん、あんたも優しいなあ」
大の男達が目に涙を浮かべて、今にも泣き出しそうだ。少し酔いが回っているのかもしれない。
「俺達、この街の人間はな、せめて盛大に祭りを開いて聖女マリアーナの魂を慰めようと、今回聖女降誕祭を企画したんだよ」
「そうだったんですね。明日のお祭りがもっと楽しみになってきました。皆さん、お祭りの裏方がんばってくださいね」
「おおよ! おんなじ名前だからか、奥さんがマリアーナに見えてきたよ。ありがとうな」
じゃあ、また乾杯するかという声がどこからか上がり、女将さんが両腕に麦酒を抱えて持ってくる。ふたたび酒宴の盛りあがりが戻ってきて、わたしはほっと息を吐いた。
「大丈夫か?」
何も言わずわたしを見守っていてくれたヴォルフが、頬をそっと撫ででくれる。わたしは大きな手のひらに頬をすり寄せて夫を見上げた。
「わたし、そんなに変わった?」
「いや、マリアーナはずっと綺麗で可愛いマリアーナのままだ」
「そうかそうか、奥さん、あんたも優しいなあ」
大の男達が目に涙を浮かべて、今にも泣き出しそうだ。少し酔いが回っているのかもしれない。
「俺達、この街の人間はな、せめて盛大に祭りを開いて聖女マリアーナの魂を慰めようと、今回聖女降誕祭を企画したんだよ」
「そうだったんですね。明日のお祭りがもっと楽しみになってきました。皆さん、お祭りの裏方がんばってくださいね」
「おおよ! おんなじ名前だからか、奥さんがマリアーナに見えてきたよ。ありがとうな」
じゃあ、また乾杯するかという声がどこからか上がり、女将さんが両腕に麦酒を抱えて持ってくる。ふたたび酒宴の盛りあがりが戻ってきて、わたしはほっと息を吐いた。
「大丈夫か?」
何も言わずわたしを見守っていてくれたヴォルフが、頬をそっと撫ででくれる。わたしは大きな手のひらに頬をすり寄せて夫を見上げた。
「わたし、そんなに変わった?」
「いや、マリアーナはずっと綺麗で可愛いマリアーナのままだ」