【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「陛下はお優しいんですね。こんなあたしのことを気遣ってくださるなんて……。姉のしたことで呼び出されるのは当然です。どうぞお気になさらないでください」
まわりでは、神殿長や貴族達が困惑の表情を浮かべている。
白い髭を撫でながら、神殿長がつぶやいた。
「どうにも私には信じられませんな。聖女様……いや、もう聖女ではない。マリアーナ様ですか。マリアーナ様は素直で慎み深く、神官達にも大変慕われておりました」
モーリーンが涙ぐんだ瞳を神殿長に向ける。
「神殿長様は、あたしが嘘を吐いているとおっしゃるのですか?」
「いいえ! そういう意味では……。申し訳ございません。軽率な発言でした」
「では、あたしを信じてくださるのね……?」
「もちろんです。モーリーン様が聖女であることは、東方神殿の神殿長からも報告が来ております。まさか、双子の姉妹が入れ替わっているとは思いませんでしたが……」
国王陛下が深くため息を吐き、座っていた椅子の肘掛けを指先で叩いた。
「私でさえ謀られたのだ。神殿の罪は問うまい」
険しい表情で、わたしを見遣る。
まわりでは、神殿長や貴族達が困惑の表情を浮かべている。
白い髭を撫でながら、神殿長がつぶやいた。
「どうにも私には信じられませんな。聖女様……いや、もう聖女ではない。マリアーナ様ですか。マリアーナ様は素直で慎み深く、神官達にも大変慕われておりました」
モーリーンが涙ぐんだ瞳を神殿長に向ける。
「神殿長様は、あたしが嘘を吐いているとおっしゃるのですか?」
「いいえ! そういう意味では……。申し訳ございません。軽率な発言でした」
「では、あたしを信じてくださるのね……?」
「もちろんです。モーリーン様が聖女であることは、東方神殿の神殿長からも報告が来ております。まさか、双子の姉妹が入れ替わっているとは思いませんでしたが……」
国王陛下が深くため息を吐き、座っていた椅子の肘掛けを指先で叩いた。
「私でさえ謀られたのだ。神殿の罪は問うまい」
険しい表情で、わたしを見遣る。