【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 ヴォルフが満足して落ち着くと、彼の足もとに大きな包みが置かれていることに気づいた。

「これは何?」
「クン」

 開けてみろってこと?

 荷物を開くと、その中には野宿に必要なものが一式そろっていた。
 固焼きパンや乾物などの食料に、水の入った水筒。料理用の鍋、ナイフ、火打ち石などの道具類。毛布や雨具の代わりにもなるフード付きのマント。

「……これは……」

 なぜこんなところに?
 わたしが家で着ていた服や、下着まで入っている!

「ヴォルフ、どうしてわたしの服がここに?」
「クーン」

 ちょっと恥ずかしそうにそっぽを向いている。

「よくわからないけど……、助かったわ。ありがとう、ヴォルフ」

 少し伸びあがって、ヴォルフのほっぺたにチュッと口づけた。

「キュ――――――ン!?」

 突然の口づけに驚いたのか、ヴォルフがひっくり返った。
 もふもふの毛につつまれていて顔色なんて見えないのに、なんだか顔が赤くなっている気がしておかしかった。

「さあ、これからどうしよう」
「クゥン?」

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