【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「たぶん、マリアーナはわかってないんだろうけど。俺はマリアーナが大好きだよ」

 広い胸……。
 ここがわたしの一番安心できる場所。
 強くて、あたたかくて、優しいヴォルフ。
 白銀の毛並みに擦り寄る時みたいに、頬をすりっとこすりつける。

「うぅ……」

 ヴォルフが低く唸った。

「そういうところだぞ、マリアーナ。なんでいつもそんなに小悪魔なんだ……」

 ヴォルフがブツブツと何か言っているけれど、気にせずに胸もとにちゅっと口づける。

「く……っ」

 あれ、そう言えば。
 わたし、狼のヴォルフによく口づけてた。
 狼のヴォルフもわたしを押し倒して、舐めまわして……、え!?

 それって全部、この美形さんと同一人物ってこと?

「……ヴォルフ」

 嘘でしょ……。
 わたしもう、どうしたらいいのか。
 くらくらしてきた。

「ん?」
「暑い……」

 わたしは久しぶりのお湯にのぼせてしまっていた……。



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